音声解説(WMAです。まだ実験的な感じ)
| では、次の短歌ですが・・・ 「手のひらに のりしザーメン かきあつめ そばでまどろむ 猫にぬりたり」 さて、作者は何が言いたいのでしょうか。考えてみましょう。そのままで申し訳ないのですが、手のひらに精液が乗っていたんでしょう。まず、ここだけで興味を引きますよね。なぜ乗っていたんでしょうか。ソロ活動、あるいはバンド活動の結果でしょうか。そして、やっぱりかき集めましたね。そうですよね。人間って手のひらに何か乗っていたら、かき集めたくなるものですよね。そして、ふと、気がつくと傍らに猫がいたんですね。なぜいたんでしょうね。それはわかりません。一匹だけだったんでしょうか。それもわかりません。また、その場にいたのは猫だけだったんでしょうか。わかりませんね。ヒトもいたかもしれないし犬もいたかもしれません。首相がいないという確実な証拠もありません。とにかくまどろんでいたんですね。つまりウツラウツラしていたわけです。それからですね、最後の不思議な行動が生じたのは。因果関係はあるのでしょうか。いや、そもそも因果とはなんでしょうか。それは一種のフィクションでしょうか。いえ、それがテーマではなかったですね。とにかくその手持ちのザーメン(ドイツ語で精液の意)をまどろむ猫に塗ってしまったんですね。どうやって塗ったんでしょう。難しいですね。明確にはわかりません。ただ、私が思うに、そこには何か悲しみのようなものがあったのではないでしょうか。 ― 『佐藤翔短歌集1 壁破壊』 |